フリートアングル

こちらではウインチ設計に重要な
フリートアングルについて説明します。

フリートアングルとは

  • フリートアングルとは下図に示すように,シーブとドラムの中心を結ぶ線と,ドラムのフランジの内側とを結ぶ線とがなす角度(θ)です。
    ▲フリートアングル説明図
  • この角度が、溝無し多層巻ドラムでは1.5度以内、溝なし一層巻ドラムでは2度以内、溝付一層巻ドラムでは4度以内であれば、ワイヤロープはきれいに巻かれます。
  • ▲溝なしドラム(左) スパイラル溝付ドラム(右)


    この角度より大きいと、ドラム端にワイヤロープが近づいたとき、ワイヤロープが乗り上がったり、シーブの縁でワイヤロープが擦れたりします。

    このように、ウインチにおいてフリートアングルは極めて重要です。設計時に十分確認する必要があります。

設計上の留意点(ウインチドラムとシーブ間の必要距離)

  • ドラム中心線とシーブ中心線が一直線上にあれば、ドラムとシーブの距離は下式にて表されます。

    L=W/(2×tanθ)

    ■溝なし多数巻ドラムの場合の計算例

    ドラム幅:W=500のとき
    L=W/(2×tanθ)=500/(2×tan1.5°)=9547(mm)≒10000(mm)

    よって,ワイヤロープが乱巻きにならない様にするために必要なシーブとドラムとの距離は、10m以上とわかります。

    ●ウインチドラムとシーブとの距離が取れない場合、(フリートアングルが1.5度以上になる場合)
    ワイヤサバキ(ワイヤシフター)付ウインチをお勧めします。